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篝火が夜を歌えば、砂の大地を星が囃す。 忘れ去られたあの丘は物語を抱いていた。
あの木の根元には、幼い頃の夢が隠されているのだろう。
枯渇した大地は夢を啜るのだなと、人知れず思ったものだ。
欠けた碗の底で音が回る。 白濁とした砂漠の酒の。
喉元を滑り落ちるそれは、日中の砂のように熱く、 蜃気楼のように淡く、潤んだ意識の奧に仄かに甘く。 ……勿体ないけれど、そろそろ瞼を開けてみるとしようか。